沙漠を走るミニバン

モロッコ冒険パラダイス
2006June9~22新宿ペンタックスフォーラム

 
見えるもの全てが砂の世界に行きたいと何年か思いつづけていた。
カサブランカというロマンチックな言葉には惹かれていたけど、旅に出るまで全くモロッコに興味はなかった。長い旅程ではなかったので、国内の都市はメルズーガ大砂丘に至る通り道としか考えていず、途中は泊まるだけで十分と思っていて、興味の知識も覚束ないまま旅に出た。
それが幸いしたんだろうって思う。荷物は下着とTシャツ2枚、ジーンズが替えの1本。後はカメラと三脚、それにパスポートなど最低限の荷物。機内持込のカートバックに全て収まった。ほとんどバックパッカー。
目的地は砂漠だから充電池のカメラは外した。電源が無いだろうから。砂で壊れる事も考えてサブボディとサブレンズを2本。過不足ない最大公約数で揃えた。
千年の都、マラケッシュやフェズは、初めてディズニーランドに行った様に驚き、人と街並みに酔った。イスラム文化自体は過激でもなく穏やかで、人なつっこさ気の良さには感謝すら覚えた。モロッコの治安はすこぶる良いと思う。人の優しさが真っ当なのだ。
アトラスを越えると、アメリカ西部を彷彿させる奇岩の地域やオアシスの土地がある。
大地がうねって地平線まで続く。別のところでは数キロに及ぶ大地の裂け目が目の前に広がる。見たこともない風景が次々に現れる。ほとんどテレビや写真でも紹介されたことがないんじゃないだろうかと思うような風景が・・・。
そして大砂丘。人工衛星が目視出来る程の夜空から降ってくる様な星座群。サンテグジュペリは星の王子様をこういう場所で書いたんだろうと思った。
夜は闇夜にならず、月がのぼる瞬間、昼のようにも感じた。
残念ながら砂漠の盗賊もラクダの商隊もいない。半月刀を持って、追いかけてくるアラジンみたいな人もいない。だけど、アジアの端から行くには、ちょっとした冒険になる場所だと思う。
例えば、インディジョーンズの映画を見るような気分を感じていただければ嬉しく思います。この写真展は、おとなが冒険する実用書みたいだったらな、と考えたものだから。
 
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